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Femtech Fes! Vol.13「新しい"夜泣き"との付き合い方〜Babytech & Femtech」

天使のような顔でぐっすり寝ていたにもかかわらず、夜中に急に泣きだし、あやしてもあやしても泣き止まず… 医学的な理由がまだはっきりと解明されていない赤ちゃんの「夜泣き」。これに悩まされている母親は数多く、インスタグラムで「夜泣き」のハッシュタグで検索すると、投稿件数は12万件を超えます。

Femtech Fes! オンライン! 第13回目となる今回は、スペシャルゲストにChild Health Laboratoryの代表、森田麻里子さんをお招きし、意外と見過ごされやすい妊娠期の睡眠サイクルの変化や、パートナーとのコミュニケーションの取り方のヒント、世界の母親たちの睡眠事情など、盛り沢山の内容をお届けいたしました。

妊娠期に起こる母親の睡眠の変化

妊娠初期(0〜15週)は、主にプロゲステロンの作用で日中の眠気が強くなる状態が起きたり、逆に夜間は寝つきが悪くなったりします。

妊娠中期(16〜27週)はつわりから解放され、心身の疲労感が和らぐことで、安定した睡眠をとれるようになることもあります。しかし妊娠後期(28週以降)が近づくにつれ、エストロゲンの作用で再び眠りが浅くなっていきます。

  • 不快な症状(頻尿、腰背部痛、こむら返り、息切れ、腹部のかゆみ)
  • 胎動や不規則なおなかの張りを感じる
  • 出産に対する不安が増す
等の理由で、寝つけなかったり夜間に目覚めてしまう方もいます。

ここで驚いた情報が、実は胎児は30週頃には生体リズムの基本的な機能を取得していて、子宮の中でも昼夜がわかるということでした。胎児は、夜間に集中して分泌される母体の血液中のメラトニン濃度の変動を感知して、昼夜を区別しているそうです。

また、母親の睡眠サイクルが胎児に影響している可能性についても触れました。妊娠したマウスやサルを24時間明るい環境で飼育すると、生体リズムが24時間周期に同調できなくなったり、胎児マウスの成長が遅れたり、ストレスホルモンのコルチゾールの濃度が高くなり気分調節や認知機能に悪影響を及ぼしたりすることがあるそうです。妊娠中に夜勤や時差ぼけを経験する職種では出産児の体重減少や、早産や流産の頻度が高いという研究結果も紹介しました。

産後期に起こる母親の睡眠の変化

出産後は、妊娠中にたくさん出ていた女性ホルモンが一気に減少するため、赤ちゃんの夜泣きや授乳で、眠りにくい毎日が続きます。 子育てメディア「HugKum」のアンケートによると、新生児の母親の平均睡眠時間はおよそ3〜4時間(33.6%)であり、眠れない期間は「およそ3ヶ月頃まで続いた」(28.7%)が最も多いという結果が出ています。

ほとんどの場合夜泣きは最初の3ヶ月がピークですが、森田先生によるとその後も1年近く夜泣きが続く赤ちゃんもいるそうです。アンケートの結果でも、眠れない期間が「1歳以降も続いている」(18.0%)と回答した母親の数が2位でした。

日本は「睡眠後進国」?

日本はOECD各国の中で一番平均睡眠時間が短く(442分)、男女比べると女性の方が睡眠時間が短いとの研究結果が出ています。男性の睡眠時間が7時間28分なのに対して、女性は7時間15分でした。

さらに日本では母親だけでなく子どもも睡眠不足になっていることがわかっています。世界中の母親を対象とした研究で、「睡眠不足」と答えたのは、世界の平均が54.7%だったのに対し、日本人の母親は78%にものぼりました。また2010年に発表されたアメリカの研究では、世界の17の国と地域の3カ月〜3歳までの子どもの睡眠時間を調査した結果、最下位は日本の子どもの平均11.6時間でした。

世界の寝かしつけ事情

そんな中で、世界ではどんな寝かしつけ方法があるのかを、海外在住経験のあるfermataメンバーの経験を通して一挙にご紹介しました。うつ伏せで寝かせるか仰向けで寝かせるかが国や時代によって異なったり、シンガポールではメイドさんが寝かしつけをしたりなどの事例についてお話ししました。

また、日本では未だに添い寝文化が根付いていますが、欧米では赤ちゃんは親とは別の部屋で寝るのが一般的になっていることも取り上げました。森田先生によると就寝時、夜泣きを減らすために親がそばにいない状態で寝ることがとても重要という研究があるそうで、17の国と地域の赤ちゃん約3万人に調査した研究では、親が添い寝していたり夜中に母乳やミルクで寝かしつけをしていると夜泣きをする確率が高いとのことでした。

産後の母親と赤ちゃんをサポートする Femtech & Babytech

最後は、そんな夜泣きに悩む母親や赤ちゃんをサポートする国内外のFemtech & Babytech プロダクトをご紹介いたしました。

Ava & Fitbit Versa
排卵日を検知するブレスレット「Ava」や女性のためのスマートウォッチ「Fitbit Versa」には、睡眠の質やサイクルをトラッキングできる機能がついています。

Circadian Optics
サーカディアンリズム(概日リズム)をサポートしてくれる、おしゃれなセラピーライト。

Maven Clinic
オンライン上で母親が健康や医療について医療従事者に相談できるプラットフォームの中には、睡眠コーチもついている。

パパっと育児
泣き声診断機能付き育児記録アプリ。母乳やミルクの回数・量、睡眠時間の推移だけでなく、乳児の身長・体重・体温なども計測してデータ化。

hugsafety
マット型IoTセンサー+連絡帳サービス「hugnote」と連携し、スマホやタブレットで、子供の昼寝中の呼吸や心拍の状態の異変をリアルタイムに検知する。

Owlet Monitor Duo
睡眠中の赤ちゃんの心拍数と、血中酸素濃度をモニター。アプリと連携し、血中酸素濃度をモニターすることで、睡眠中の赤ちゃんの呼吸が過度に浅くなっていないかどうかを確認。

Nanit
赤ちゃんの睡眠モニターカメラとウェアラブルデバイス。睡眠サイクル&パターンや呼吸を布にプリントされたパターンを読み取ることでリアルタイムで計測。外出自粛の影響により、アクティブユーザーの20%が赤ちゃんの祖父母やおじ、おばがいる家族(Nanit調べ)。

このような産後の母親と乳児をサポートするFemtech&Babytechソリューションが次々と国内外で登場してきていますが、母親のパートナーも主体的に使えるソリューションはは未だに少ない傾向にあります。Femtech Fes! でも度々挙がっているパートナー同士のコミュニケーションの課題を直接的に解決するプロダクトやサービスは、これから開発されていく分野なのかもしれません。

母親が様々な悩みを1人で抱え込まず、Femtechソリューションやベビーシッターなどのサポートを使うことに対して罪悪感を抱えずに使っていくことが当たり前になる社会になっていけばいいなと感じた回でした。