3日間で過去最多の5,000名以上が来場&フェムテック「生みの親」初来日!

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フェルマータが実行委員会メンバーとして主催する、フェムテック商品の展示・販売・体験イベント「Femtech Fes!(フェムテック・フェス)」を2024年2月9日(金)〜11日(日)の3日間、六本木アカデミーヒルズで開催しました。

 イベントの最後のステップであるワークショップでは、「子どもが大きくなった時、体のことで生き方が制限されないように」、「A better education!」、「政治と日常が結びつく社会に」「性暴力で悲しむ人がゼロになりますように」「汚物入れ、という名前が変わってほしい」などの切実な願いが、想定していたエリアを大きくはみ出て寄せられました。

 消費者・企業・医療関係者・行政を含むあらゆる関係者が一堂に会し、ヒトとヒト、ヒトとモノを繋いできた本イベントは、今回でリアル開催4回目を迎えました。日本を含む世界23カ国と5地域から200以上のプロダクトやサービスが、そして海外からは24企業44名のフェムテック起業家たちが集結。世界でも類を見ない、グローバルイベントとなりました。

Femtech Fes! のために世界中から集結した、世界の市場をリードするフェムテック起業家たちと、フェルマータ CEO 杉本亜美奈(最前列右から2番目)

 日本・アジアに暮らす消費者のニーズ発掘や日本市場への参入機会を求めて来日した起業家のなかには、2015年頃に「Femtech」という言葉をつくった初来日のイダ・ティン氏(生理周期管理アプリ「Clue」の共同創業者・元CEOで、現会長)も含まれ、自ら起業のきっかけや市場への展望を伝えながら交流を深めました。

スピーチするイダ・ティン氏と、フェルマータ CEO 杉本亜美奈
報道陣からの質問に答えるイダ・ティン氏

 さらに、3日間を通じて様々な視点からトークセッションを実施。「日本の最新フェムテック市場」「更年期と睡眠」「世界と日本の生理事情」「子どもと性」など、起業家・医師・タレントなどの登壇者が多方面からディスカッションを行い、常に熱気と驚きの声で満ち溢れました。

フェムテック市場の「今と未来」が分かる二部構成の会場

 会場内は、フェムテック市場の今を「氷山」に例え、2つのエリアで構成。すでに日本で手に取ることができるプロダクトやサービスを「Area1:世界を切り拓く氷山の一角」、フェルマータが持つ世界中のフェムテック企業とのリレーションを最大限に活かしたキュレーションエリアを「Area2:深い海の中をのぞいてみたら」として紹介しました。

 

 Area1には、国内約60社のプロダクトやサービスが集結。普段話すことができない企業の事業責任者や開発担当から、製品に込められた想いを聞きながら直接購入できるとあって、3つの会場は熱気であふれかえりました。

Area1では、日本の企業が来場者と充実のコミュニケーションを行いました。

 Area2では、フェムテックの市場の始まりから現在の日本・海外市場を取り巻く「ルール」の課題について、データや法律をわかりやすく紐解きながら展示を実施。なかには、「生理の貧困」へのアプローチの1つとなる、トイレットペーパ状の生理用品や、視覚障がいを持つ方が経血とおりものを判別しやすいようにするデバイスなどが含まれ、来場者はこれらの製品を手に取り、時には製品や製品開発のきっかけについて起業家に直接聞きながら展示を回りました。

世界・日本のフェムテック市場のトレンドを、キーワードに沿ってご紹介するキュレーションエリア。フェムテック市場が成長すると医療の現場がどう変わるのかを予測する展示や、2023年にノーベル経済学賞を受賞したクラウディア・ゴールディン教授の研究にインスピレーションを受けた展示も。
トイレットペーパー型のナプキン「Egal Pads」の展示
更年期・老年期にまつわる固定観念を見つめ直す展示

 災害や性被害など「あってはならないもしもの時に」をテーマとしたブースでは、災害への備えの重要性を年初から感じさせられた今年、「必要だね」「すぐに用意しよう」とカップルや友人同士での会話も聞かれました。

 

 また、ルートの終着点に設けられたワークショップスペースでは、展示で感じたことを実際に言葉や絵、工作などで表現できる企画も。コロナ禍中であった前回の来場者からの「イベントで感じたことをすぐにアウトプットできる機会が欲しい」という声を元に設置しました。「特定の職業でニーズがありそうなフェムテックを考えてみよう」「次世代へ繋げたい願いを書いてみよう」など9つのテーマに沿って、来場者は思い思いに自分の気持ちや考えを表現しました。

更年期の固定観念を解きほぐすような学びのエリアにいざなわれた後には、ワークショップ「更年期のあたらしい呼び名を考えてみよう」が来場者を迎えます。閉経を超えて次のステージへ向かうための、ポジティブな提案が集まりました。
フェルマータで人気のワークショップ「モヤモヤ発散会」では、使用予定だった左のホワイトボードを大きくはみ出し、来場者の潜在ニーズの深さを示すように、3日間をかけて、会場の壁にまで広がっていきました。

 フェムテックを最近知ったという来場者は、「タブーとされていたことを真正面からみつめて、女性がより快適に過ごせる製品がたくさん出てきて、いい時代になったと思う。娘が最近男の子を産んだが、孫が大きくなる頃にはみんながお互いを理解しようとしあって、誰もが快適に過ごせるようになっていたらうれしい。」と感想を述べました。

 

 前回も来場し、職場ではDE&Iプロジェクトのリーダーをしているという来場者は、「一層規模が大きくなり、ワクワクするイベントだった。職場では『更年期になって症状がつらく自分には管理職は向かない』と、仕事を頑張ってきたのに昇進をあきらめる方を複数見てきた。今回の展示でも、更年期にまつわる製品が多くあったが、『生理休暇も育児休暇もあるのに、なぜ更年期休暇はないのだろう』と今の日本の『あたりまえ』や普段私たちがあたりまえと思っていたシステムについて考えながら回っていた」と話しました。

より多くの方にイベントを楽しんでいただくための取り組みとして、前回までと同様、プライバシーを守るための「取材・撮影OK/NG」の意思表明シールを導入したほか、今回からはイベント出張託児のプロフェッショナル、株式会社マザーズとタッグを組み、会場内に託児所を設置。過去に「Femtech Fes! に行きたいけれど、人も多そうで、赤ちゃんを連れては行きづらい」というお声をいただいたことで実現した会場内の託児所は、連日多くの事前予約があったほか、当日のお預けのご相談も多数寄せられ、改めて大きなニーズを感じる結果となりました。

トークセッションについて

 2月9日(金)を主にビジネス関連の方に、10日(土)、11日(日)を主に一般消費者の方に向け、多彩なトークセッションを行いました。その一部をご紹介します。

2/9(金)10:00- 基調講演「グローバルフェムテック市場の現在地」

Femtech Fes! のオープニングを彩ったのは、生理周期管理アプリ「Clue」の共同創業者・元CEOで現会長のイダ・ティン氏とフェルマータCEOの杉本亜美奈による基調講演。イダからは、ファシリテーターのフェルマータ カマーゴ・リアの投げかけに応じて「Femtech」という言葉の誕生秘話が披露されました。また、この言葉が出来たことで、起業家同士がお互いを見つけやすくなったと語りました。杉本からは、日本のフェムテック市場の黎明期は一般消費者向けのメディアが牽引したというエピソードを披露。また、市場が進む方向を決めるのは、行政でも政治家でもなく、民間企業の役割であるということを聴講者に伝えました。

2/10(土)11:00-「自分らしく生きるために、今できること」

美的とのコラボセッションには、お笑い芸人のバービーさんと産婦人科専門医の稲葉可奈子先生が登壇し、テーマに読者から募った質問に答える形でトークが展開。「20代のうちにしておけばよかったと思うことは?」という質問に対し、「投資!」と間髪入れずに答えて会場の笑いを誘った後に「健康貯金。運動を始めておけばよかった」とバービーさん。パートナーと生理周期アプリを共有して、語らずとも自身の体の状態をわかってもらっているそう。一方、稲葉先生からは「かかりつけの産婦人科を作り、正しい情報を得ることが何より大切。例えば更年期に対する不安な声はとても多いが、症状が出ない方もいるので、必要以上に心配しなくていい」とアドバイスをいただきました。

2/10(土)13:00-「眠りから見つめなおす、更年期のセルフケア」

パラマウントベッドとクウネルのコラボレーションセッション。第1部は、50代以上の更年期世代の雑誌クウネルでも活躍するタレントの結城アンナさんが登場。ご自身の体験や、快眠のために夕飯は早い時間に終える、運動を程々に取り入れる、ベッドルームを心地よい空間にするといった工夫を披露しました。「今、世の中に優しさが足りていない印象を受ける。自分を労わる気持ちを大切に、そして社会や子供たちにもっと優しさを」と締めくくりました。第2部はパラマウントベッド(株)の大槻朋子さんと(株)陽と人の小林味愛さんが、「令和5年度経済産業省フェムテック等サポートサービス実証事業補助金」の採択事業として協業した『働く更年期女性の不調改善と職場での男性のサポート体制構築 実証事業』の研究結果を発表。働く40-59歳の女性200名に行ったアンケートによると、約7割が不眠症状を有する可能性があり、更年期症状が重い人は不眠症状も重いことがわかりました。また睡眠並びに更年期のカウンセリングにより、93%の方が自身の不調に対して何らかの改善効果を認めた、と発表致しました。

2/10(土)15:00-「人生の曲がり角で出会う、私のセルフケア」

味の素(株)運営の、女性のセルフケアをサポートするサブスクリプション形式のプロダクト&コミュニティサービス「LaboMe®」とのコラボレーションセッション。モデルの武智志穂さんをお迎えし、「LaboMe®」代表の橋麻依子さんと、MCの近藤洋子さんと一緒に、それぞれの「人生の曲がり角」を振り返りました。武智さんからは、「不妊治療」「沖縄移住」といったキーワードがあがり、35歳で始めた不妊治療で人生ではじめて壁にぶつかり、努力が必ず報われるわけではないという状況を経験した、とお話いただきました。なによりストレスが良くないという医師からのアドバイスもあり、自分をいたわるということに真剣に向き合うことになったそう。頑張りすぎずシンプルで、自然体な自分でいることの大切さを語りました。

2/10(土)16:30-「『家族設計』を考える

女子栄養大学教授、埼玉医科大学名誉教授の石原理先生と、フェルマータのカマーゴ リアによるトークセッション。「家族設計を考える」をテーマに、私、私たち、社会と、それぞれの視点から見た”fertility”の現状と問題点を紹介。出生率1.26人の日本、「自分を知るには鏡に映る自分を見るより隣の人を見た方が良わかることがある」という石原先生のアドバイスから、現在人口世界第4位のインドネシアの出生率が急速に激減してついに2.1人を切ったということに危機感を感じ、PLans Fertirity Co.を立ち上げたSastyaさんにも取り組みを紹介していただき、国境を超えた問題解決の可能性を探りました。

2/11(日)10:45- 国連人口基金駐日事務所 スペシャルメッセージ

本イベントの後援もいただいている国連人口基金駐日事務所長の成田詠子さんは、性と生殖に関する健康・権利に関して、日本では産後うつと見えない性暴力が問題だが、世界レベルで見るとそもそも統計データや社会のサービスや製品に女性が反映されていないことが問題であると指摘。例えば女性の治験データが男性に比べ圧倒的に少ないので、女性は男性の2倍の確率で薬の副作用の影響を受ける、車の設計は基本成人男性に合わせているので、交通事故の怪我は男性の3倍の確率であるという事実を踏まえて、「フェムテックには、既に需要が生まれていたり表面化している女性の健康課題にアプローチするだけでなく、根本的に気づかれてこなかった人々の視点やニーズ、データ等を取り込み、水面下の課題にアプローチするようなイノベーションを期待しています。」と締めくくりました。

2/11(日)11:00- 「pecoと一緒に考える『子どもと性』」

WeSAYとのコラボセッションには、タレント・ブランドプロデューサーのpecoさんが登場。5歳の男の子の母親であるpecoさんは、子供が疑問に思うことを尋ねやすい存在でいるように日々意識しているそう。体の性と心の性についても子供だからと言って誤魔化さずに、子供が疑問に思って尋ねてきたその時に一つひとつ丁寧に何度でも伝えることが大切で、そうすることで子供自身が自分で自分を守れるよう正しい判断ができるようなベースづくりになると語りました。子供が大きくなるにつれインターネットの使用をどこまで許容するかが難しくなるというお話も。自身の母親がしてくれたように、距離は保ちながらも様子を見続けて、必要な時に息子に刺さる言葉を投げかけられたら、そのためにも正しい判断ができるベースを小さなうちから養ってあげたいと話し、「みんなにとって居心地の良い未来へ、自分を大切に」というメッセージを会場に贈りました。

2/11(日)13:00-「言葉にできないモヤモヤと今こそ向き合ってみよう」

GINGERとのコラボセッションには、俳優・モデルの高橋愛さん、GINGER編集長の渡邊千帆さん、フェルマータの中川里菜が登壇。生理前や生理中の不調は多くの人が感じるところ。渡邊編集長が示してくれたGINGER読者アンケートには、71%が落ち込む・イライラする、68%が体の痛みを感じる、そして42%が人間関係に支障をきたしたことがあるという結果が。「生理前に彼氏から言い方がきついと言われた」というコメントに大きく頷く来場者たち。高橋さんも思春期の頃は自分の体との向き合い方が分からず、周りに当たったり怒ったりしていたそう。実は世界にはモヤモヤを解決してくれる選択肢が既にたくさんあるという中川に対し、自分が自分の一番の理解者でいるために「知らないことが多いことを知り、わかろうとすることの大切さを改めて認識した」という高橋さん。トークショー終了後は、ワークショップエリアにて未来への提案を書いてくれました。

2/11(日)15:00-「カラダもこころもファッションも、 "自分を分かってる"自分になるために」

「自分至上主義」を標榜するViViとのコラボは、モデル藤井サチさんとNET ViVi編集長 平本哲也さん、フェルマータ中川によるトークショー。世界各国の生理事情を学んだのち、日本の今に目を向けました。日本は、使い捨て生理ナプキンが高品質でコンビニなどどこでも手に取れる一方で、「生理の貧困」に悩む若い世代がいたり、規制が厳しく新しい生理用品が増えにくいという状況があります。また最近も問題になった災害時に避難所等での生理用品の環境整備に課題が残るという点に、防災グッズに生理用品も入れなくちゃ!と藤井さんが反応。モデルのお仕事はハードで体調管理には気を使います。藤井さんはPMSで落ち込んでしまったり、いくら食べてもお腹いっぱいにならずにイライラしてしまうそう。なのであえてこの期間は好きな物を食べ、楽しみの時間に変換してしまうとクレバーな対処法を披露してくれました。そして「世の中の情報は常に自分には何か"足りない"と突きつけてくるけど、私たちってすでに"足りてる"と思いませんか?」「ファッションも心やカラダの健康、そして人間関係も自分モテを軸にエンジョイしましょう!」と会場にエールを贈りました。

■Femtech Fes! とは

 一般消費者やヘルスケアに関わる方はもちろん、フェムテック市場に関わるすべてのステークホルダーが一堂に会すフェムテックイベントです。日本ですでに発売されている製品に限らず、海外の開発中・発売中の製品も紹介することで、世界の現状や課題、未来に至るまで、より広い視点でフェムテック市場を捉えていただけるところが特徴です。皆が生きやすい社会を作るために「あたりまえ」とされていることを様々な方向から見つめ、「Femtech Fes!」を第一歩として、明日から新しい世界を作っていく「第二歩」を踏み出していただけるような機会の創出を目指しています。

 

 まだフェムテックという言葉が日本で知られていなかったフェルマータの創業1年目である2019年に初回を開催し、2021年からは今回を含めて3回、六本木ヒルズにて実施。来場者は1,400名、2,900名、5,150名と回を重ねるごとに増加し、毎回新しい発見と熱狂を生んでいるイベントです。

 

<今回の「Femtech Fes!」概要>

イベント名 :Femtech Fes!

開催日時 :2024年2月9日(金)、10日(土)、11日(日)

開催場所 :六本木 アカデミーヒルズ

東京都港区六本木6丁目10番1号  六本木ヒルズ森タワー 49F

入場料 :無料

主催 :フェルマータを中心とするFemtech Fes! 実行委員会

後援 :厚生労働省、経済産業省、東京都、港区、国立研究開発法人新エネルギー・ 産業技術総合開発機構(NEDO)、独立行政法人国際協力機構 (JICA)、アメリカ合衆国大使館、オランダ王国大使館、シンガポール共和国大使館、スペイン王国大使館、ニカラグア共和国大使館、スイスネックス、ドイツ 科学・イノベーション フォーラム東京、国際連合人口基金 (UNFPA)、公益財団法人ジョイセフ

■フェムテックとは

フェムテックとは、女性(Female)と技術(Technology)を組み合わせた造語です。一般的には月経、妊娠、更年期など女性特有あるいは症状等が出やすい健康課題に対するソリューションとして、テクノロジーを用いたプロダクトやサービスを指します。

■fermata株式会社について

「あなたのタブーがワクワクに変わる日まで」をビジョンに掲げ、未だタブー視される傾向にある「女性のウェルネス」課題を解決・支援する事業を行っています。女性の体の悩みやモヤモヤを共有するプラットフォームの創出、ウェルネス課題の解決に繋がる世界中のプロダクトの提供を通して、日本、そして世界のフェムテック市場の拡大を加速させ、女性だけではなく皆が生きやすい世界を目指します。

コーポレートサイト:https://hellofermata.com/pages/fermata-inc

メディア・一般企業の皆様へ

来年の「Femtech Fes!」開催時のメディア取材や、一般企業様向けのコラボレーションに興味を持っていただける方は info@hellofermata.comまでお問い合わせください。イベントに限らず、フェルマータに興味を持っていただいたメディア・企業様はお気軽にお問い合わせください。