Vol.5|プレコンセプションケアとは?妊活との違いと基礎 【Amina's Guide】

2026年3月23日
Dr.Amina’s Guide

プレコンって、結局なに?
妊活との違いを
やさしく整理します

プレコンは、妊娠のためだけの準備ではありません。 自分の体を、少しだけ先の時間軸で理解すること。 そのための考え方です。

読了目安:約5分 テーマ:プレコン / 妊活 / からだの理解 Dr.Amina’s Guide
Preconception Care

「プレコンって、結局なに?」
「妊活とどう違うの?」

最近よく聞くようになったこの言葉は、 なんとなく“妊娠前の準備”のように理解されることも多いかもしれません。

でも実はプレコンは、もっと身近で、もっと広い話です。

自分の体を、少しだけ先の時間軸で理解すること。

それが、この概念の出発点にあります。

1 プレコンとは何か。まずここだけ

プレコンセプションケア(Preconception Care)とは、 妊娠する前から、自分の体や健康状態を整えておくという考え方です。

ただし、ここで大切なのは、 「妊娠のため」だけのものではない ということです。

妊活とプレコンの違い

妊活が「妊娠を目的とした行動」だとすると、 プレコンは、もっと手前にある“理解”のレイヤーです。

将来の予定があるかどうかに関わらず、 自分の体の状態を知っておくことそのものに意味があります。

2 私たちの体は「日常の延長」でできている

体は、特別なタイミングだけで変わるわけではありません。

睡眠、食事、ストレス、運動。 その積み重ねの中で、少しずつ調整されています。

ホルモンも同じです。 日々の生活の影響を受けながら、バランスをとっています。

妊娠に関わる機能も、例外ではありません。

ある日突然オンになるスイッチではなく、日常の延長にあるもの。

だからこそプレコンは、特別な準備というより、 「今の延長線をどう見るか」という視点に近い考え方です。

3 なぜ「知らないまま選ぶ」ことが起こるのか

ここで一度、少しだけ社会の話をします。

これは特定の国に限った話ではありませんが、 多くの社会には、次のような共通した傾向があります。

  • 体のことが日常の中で優先されにくい
  • 不調があっても、すぐに相談や受診につながらない
  • 性や生殖に関する話題が、オープンに共有されにくい

こうした状況は、個人の意識の問題というよりも、 情報へのアクセス、教育、文化的背景、制度設計などが重なって生まれるものです。

その結果として、 「十分に知らないまま、選択をしている状態」 が起こりやすくなります。

そして重要なのは、 この状態は「特別なケース」ではなく、誰にでも起こりうる前提であるということです。

プレコンセプションケアは、この構造に対して、 「正しい行動」を増やすためのものではありません。

そうではなく、 自分の体について理解し、必要なときに情報や支援にアクセスできる状態をつくること。

つまりプレコンは、行動の前にある、
「理解と選択の土台」を整えるための概念とも言えます。

4 なぜ今、プレコンという言葉が出てきたのか

この言葉が広がってきた背景には、いくつかの変化があります。

1. 見えるようになったこと

排卵やホルモンなど、体の状態を把握する手段が増えました。

2. 話せるようになったこと

不妊や女性の健康が、社会のテーマとして扱われるようになってきました。

3. 選べるようになったこと

サービスやプロダクトが増え、アクセスの入口が広がってきました。

これらが重なって、 「知らなかった領域」が「選べる領域」に変わりつつあります。

5 日本ではどう変わってきているのか

日本でもここ数年で、プレコンの位置づけは少しずつ変わってきました。

以前は、「妊娠を考える人が気をつけること」として扱われることが多かった領域です。

でも今は、 若い世代の健康リテラシーや、将来の選択肢に関わるテーマ として、国の政策の中でも位置づけられ始めています。

  • 2021年 成育医療等基本方針の中で、プレコンセプションケアに関する体制整備を図る方針が示されました。
  • 2023年 改定された成育医療等基本方針で、男女ともに性や妊娠に関する正しい知識を身につけ、健康管理を行うよう促すプレコンセプションケアの推進が整理されました。
  • 2024年 経済財政運営と改革の基本方針2024で、相談支援等を受けられるケア体制の構築や、5か年戦略の策定・推進が盛り込まれました。
  • 2025年 プレコンセプションケア推進5か年計画が公表され、知識の普及、相談支援、医療機関等での専門的支援が重点として示されました。

つまりプレコンは、個人の努力だけでなく、 社会として支える領域へと移りつつあります。

6 国は何をしようとしているのか

今の政策の方向性を一言でまとめると、 「まず、知れるようにする」ことです。

整えようとしていること

  • 正しい知識にアクセスできること
  • 相談できる場所があること
  • 必要なときに医療につながれること

ここで重要なのは、 「受診させること」より前に、 「知れる状態」をつくること に重心が置かれている点です。

7 プレコンは「何かを始めること」ではない

ここまで読むと、 「何かしないといけないのでは」と感じるかもしれません。

でもプレコンは、何かを増やすためのものではありません。

むしろ、 自分の体を後回しにしなくていい状態をつくること に近い考え方です。

それは、大きな変化ではなく、 少しだけ、理解の余白がある状態かもしれません。

今すぐ妊娠を考えているかどうかに関わらず、
自分の体を知っておくことは、未来の選択肢を守ることにつながります。

まとめ

  • プレコンは「妊娠の準備」だけではなく、「体の理解」
  • 日常の延長として考えるもの
  • 日本でも個人から社会へと位置づけが変わりつつある
  • まずは「知ること」からで十分

プレコンは、特別な人だけのものではありません。

将来のことを、今すぐ決める必要はありません。 でも、自分の体を知ることは、いつか何かを選ぶときの土台になります。

まずは、知ることから。 そして、自分の体を後回しにしないことから。

自分の体を知ることから、
未来の選択肢は広がっていく。

Dr.Amina’s Guideでは、プレコン、フェムテック、フェムケア、セルフケアにまつわるテーマを、 日常の言葉で少しずつ紐解いていきます。

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