Vol.1|日本の女性の健康をどう考える?ウィメンズヘルスの現状とフェムテックをやさしく解説
読了目安:約4分
はじめまして。Dr.Amina’s Guideを始めます。
はじめまして。
fermataの杉本亜美奈です。
公衆衛生を専門にしてきた私が、なぜフェムテックやフェムケアの分野にいるのか。
そして、なぜ今、この「Dr.Amina’s Guide」を始めようと思ったのか。
今日は、その背景を少しだけお話しさせてください。
この連載は、
「正しい答えを教える場所」でも、
「商品を紹介する場所」でもありません。
自分の体のことを、安心して、落ち着いて、理解できる場所。
そして、その理解をもとに、自分に合う方法や選択肢を知り、
正しく、安心できる情報にたどり着ける場所。
そんな場をつくりたいと思っています。
日本は、本当に“遅れている”のでしょうか?
女性の健康について語るとき、
「日本は遅れている」という言葉を耳にすることがあります。
でも、私はそうは思っていません。
日本は、妊娠・出産に関して世界でもっとも安全な国のひとつです。
母子死亡率は世界最低水準で、出産をするには世界で最も安全な国の一つとも言われます。
産婦人科専門医へのアクセスも比較的良好で、
数週間待たなければ受診できない国もある中、日本では比較的早く診てもらえることが多い。
妊娠中の超音波検査(エコー)の回数も、世界的に見れば非常に充実しています。
さらに、子宮頸がんや乳がんなどの女性特有のがん検診も、
自治体の助成により高い頻度で受けることができます。
そしてこれからは、女性の健康に関する項目が
企業の健康診断に組み込まれていく流れも始まっています。
つまり、日本は決して女性の健康に無関心な国ではありません。
むしろ、制度として守られている部分はとても大きいのです。
それでも、なぜ“迷い”が生まれるのか
ではなぜ、生理や更年期、尿もれ、性の違和感といったテーマでは、
どこか戸惑いや迷いが残るのでしょうか。
それは「遅れている」からではなく、
支え方の重心が少し違うからかもしれません。
妊娠・出産・がん検診などは制度としてしっかり整っています。
一方で、日常の体調のゆらぎや、はっきり病名がつくわけではない不調は、
個人の中にとどまりやすい。
また、日本は「高コンテクスト文化」と言われます。
はっきり言葉にしなくても伝わる社会です。
だから、
「つらい」と強く言わなくても頑張る。
「困っている」とはっきり言わずにやり過ごす。
それが自然になっているのかもしれません。
これは弱さではなく、文化です。
でも、体の変化まで静かに抱え込まなくてもいい。
私はそう思っています。
よくある誤解:これは“特別なテーマ”?
女性の健康は、ときどき特別な問題のように扱われます。
でも、生理も、更年期も、妊娠も、
人生の流れの中で自然に訪れる変化です。
特別だから難しいのではなく、
日常のことだからこそ、後回しになりやすい。
体は、壊れてから向き合うものではありません。
変化しながら、付き合っていくものです。
正常か異常かを単純に分けられるものでもありません。
だからこのGuideでは、
不安をあおることなく、でも曖昧にもせず、
「理解できる状態」を一緒に整えていきます。
制度と選択肢のあいだにある小さなギャップ
日本では、商品は
「医療機器」「医薬部外品」「雑貨」などに分類されます。
この違いによって、
- どんな表現ができるか
- 承認までにかかる時間
- 市場に出るまでのハードル
が変わります。
これは安全を守るための大切な仕組みです。
ただ、海外では一般的な商品が、日本では広がりにくいこともあります。
その結果、「必要としている人がいるのに、選択肢が少ない」と感じられる場面もあります。
制度が不十分なのではなく、構造が違うということ。
その背景を知るだけで、見え方は少し落ち着いたものになります。
fermataが目指していること
fermataは、女性の健康を特別なものとして切り分ける会社ではありません。
むしろ、日常の延長線上に、自然に、安心して置ける状態に整える会社です。
制度が整っている日本の土台の上に、
もう少しだけ、選びやすさと理解しやすさを加える。
海外のプロダクトを日本の制度や文化に合わせて翻訳し、
企業や自治体と連携しながら、安心して話せる空気をつくり、
ECという場所で、学びながら選べる導線を整える。
それが私たちの役割です。
最後に
体のことを考えるのは、少し勇気がいることもあります。
でも、まずは“知る”だけでいい。
日本は決して遅れているわけではありません。
守られている部分はたくさんあります。
だからこそ、その上で、もう少しだけ「理解」と「選択肢」を整えていく。
このGuideが、あなたが安心して、自分の体と向き合える場所になりますように。
次回:「フェムテックとは?」を、できるだけシンプルに整理していきます。
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