Vol.3|妊活の前に、自分を知るという選択。Modern Fertilityが問いかけた“ホルモン検査”の意味

2026年2月15日

本日ご紹介するModern Fertility公式サイトはこちらからご覧いただけます。


1|「妊活」という言葉に、追い立てられる前に

最近、「妊活」という言葉をよく目にします。

年齢、卵子の数、卵巣年齢、AMH。
検索窓に打ち込めば、情報はあふれるほど出てくる。

でもその多くは、
「急いだほうがいい」
「今すぐ動くべき」
そんな焦りを含んだトーンに感じることがあります。

私は27歳の頃、ロンドンで博士課程を終え、VCファンドで働き始めたばかりでした。
キャリアのことで頭がいっぱいで、妊娠や出産は「いつか」の話。

それでも、心のどこかで感じていたのです。

私は、あとどれくらいの時間があるのだろう?

そのとき出会ったのが、Modern Fertilityという在宅ホルモン検査キットでした。

今日は、妊活や不妊の話ではなく、
「妊活の前に、自分を知る」という選択肢について書きたいと思います。


2|Modern Fertilityとは?|在宅でできるホルモン検査

Modern Fertilityは、米国発のフェムテック企業です。

自宅で指先から少量の血液を採取し、郵送する。
すると、AMHなどのホルモン値がオンライン上で確認できる。

一言で言えば、

「妊娠できるかどうか」を診断するものではなく、
“自分の身体の今”を知るための在宅ホルモン検査です。

対象は、不妊治療中の人だけではありません。

  • 将来、妊娠するかまだ決めていない人
  • 卵子凍結を検討している人
  • キャリアと出産のタイミングを考え始めた人

“今すぐ妊娠したい人のため”だけではないところが、
このサービスの本質だと私は感じました。


3|AMH検査は何のため?— 妊娠前ホルモン検査の新しい視点

AMH検査自体は新しい技術ではありません。
日本のクリニックでも受けられます。

けれど従来は、

  • 不妊治療の一環
  • ブライダルチェック
  • 「妊娠できる身体かどうか」の確認

という文脈で語られることが多かった。

Modern Fertilityが提示したのは、まったく違う問いでした。

「これは、誰のためのデータなのか?」

パートナーのためでも、家族のためでもなく、
“女性自身が、将来の意思決定をするためのデータ”。

この視点が、当時の私には衝撃的でした。

4|何が新しいのか?|3つの転換

1. クリニックの外に出た検査

妊娠や不妊の話題は、病院という空間に強く結びついています。
でもModern Fertilityは、検査を“日常の中”に持ち込みました。
これは利便性だけでなく、心理的ハードルを大きく下げたのです。

2. データを「主体的に読む」設計

結果はオンラインで確認でき、解説コンテンツも充実しています。
数値を渡して終わりではなく、
“理解するプロセス”までデザインされている。

3. 「診断」ではなく「選択肢」の提示

この検査は、未来を決めるものではありません。でも、
“知らないまま想像し続ける不安”を、
“考える材料”に変えることはできる。
この思想こそが革新的でした。


5|Dr. Aminaの視点|なぜ私は強く惹かれたのか

当時、私はこの会社に投資したいと強く思いました。

けれど投資チームの多くは男性で、
「なぜ必要なのか?」という問いが繰り返されました。

その問いは正しい。
でも、女性の身体を持つ当事者の感覚とは、少し距離があった。

私はこう感じていました。

これは“妊娠できるか”の話ではない。
“どう生きたいか”を自分で決めるための話だ。

25歳でキャリアを優先する選択も、
30歳で凍結を考える選択も、
何もしない選択もある。

でもそのどれもが、
「知らない」状態よりは、少しだけ自由かもしれない。

この経験が、fermataを立ち上げる原点の一つになりました。


6|日本で在宅ホルモン検査を考えると?

日本でも最近、ホルモン検査キットは増えています。

けれど、

  • 検体管理や医療との連携
  • 表現のあり方
  • 結果を受け止める相談体制

など、丁寧な設計が必要です。

そして何より、日本ではまだ
「妊娠の話は、少しタブー」
「考えすぎると焦る」
という文化的空気があります。

だからこそ私は、これは“流行るかどうか”の話ではなく、

「考えることを許される社会かどうか」の話だと思っています。


7|未来へ|測ることは、縛られることではない

ホルモン検査やAMHという言葉は、時にプレッシャーと結びつきます。

でも私は、こう捉えています。

測ることは、評価されることではない。
測ることは、“自分の未来を、自分の言葉で考えるための材料”を持つこと。

Modern Fertilityは、妊娠を保証するものではありません。

けれど、
「選択肢がある」と知ることの力を、私はあのとき感じました。

妊活という言葉に追い立てられる前に。
焦る前に。

一度、静かに自分の身体を知るという選択。

それは、未来を急ぐことではなく、
未来を丁寧に考えることなのかもしれません。

次回は、「非採血型ホルモン測定」という新しい潮流について、もう少し掘り下げてみたいと思います。


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