Vol.7 MYTREX AQUA QUTTO|骨盤底筋のこと、知っているようで知らなかった
この仕事をしていた私が、出産後に初めて「自分ごと」になった話
1|白状します
骨盤底筋のことは、知っていました。
仕事柄、当然のように知識として持っていました。どこにある筋肉で、何のために必要で、なぜ弱まるのか。世界から集めたケーゲル体操ができるデバイスで、その大切さや方法を説明してきました。
でも正直に言うと、出産後に自分が尿もれするまで、それは「誰かの話」でした。
何事もそうかもしれません。自分が経験するまで、わからないし、自分ごとにはならない。
くしゃみをした瞬間の、あの「あっ」という感覚。笑いが止まらなくなったときの、ちょっとした焦り。
産後、そのとき初めて、骨盤底筋という言葉が、自分の体の話になりました。
フェムテックを仕事にしている私でさえ、そうでした。だから、まだ気になっていないあなたに、そして、もしかしたら、もう少し気になり始めているあなたに、今日このことを書きたいと思います。
2|骨盤底筋って、どこにあるの?
骨盤底筋という言葉、聞いたことはあっても、実際にどこにあるかイメージできる人は少ないと思います。

場所は、骨盤の「底」。文字通り、骨盤のいちばん下の部分に、ハンモックのように広がっている筋肉の集まりです。膀胱・子宮・直腸という、女性にとって大事な三つの臓器を、下からぐっと支えています。
外からは見えないし、触ることもできません。
腕や太ももの筋肉なら「ここだ」とわかるけれど、骨盤底筋は動かしているつもりでも、本当に動いているのか自分では確かめにくい。そのくらい、「いるけど気づかれない」筋肉です。
でも、この筋肉がしていることは、実はかなり多いんです。
まず、臓器を支えること。膀胱や子宮が正しい位置に保たれているのは、骨盤底筋があるから。それから、排尿・排便のコントロール。トイレに行きたくなったとき、すぐに漏れないでいられるのも、この筋肉のおかげです。姿勢を保つこともしています——横隔膜や腹筋と連動して、体の軸を内側から支えています。
そして、妊娠や出産にも深く関わっています。これは後で詳しく話しますね。
一つの筋肉がこれだけのことをしているのに、ほとんど意識されない。日々、黙って働いています。
3|今の私たちは、使えていない
少し前の世代の女性は、日常生活の中で自然に骨盤底筋を使っていました。しゃがんで掃除をする、重いものを運ぶ、和式トイレを使う——そういう動作が、意識せずともこの筋肉を動かしていたんです。
でも今は、どうでしょう。
一日中パソコンの前に座っている。スマホを見ながら背中が丸まる。テレワークで、家から一歩も出ない日もある。
長い時間椅子に座り続けると、骨盤が後ろに傾きやすくなります。その姿勢が続くと、骨盤底筋は本来の位置からずれ、使われないまま少しずつ弱っていきます。
これは、さぼっているとか、意識が低いということじゃありません。生活そのものが変わったことで、自然に使う機会が減ってしまった。今の時代を生きている私たちが、意識しなければ動かせない場所に、この筋肉はあります。
4|「私には関係ない」と思っているあなたへ
尿もれというと、「お年寄りの話」「出産した人の話」と感じる方も多いかもしれません。
でも、数字は違うことを示しています。
P&Gジャパンが日本女性4万人を対象に行った調査(2019年)では、20代〜60代の2人に1人以上が尿もれを経験していて、どの世代でも6割前後の経験率がありました。そして20代の経験者のうち、63.4%は出産経験がないという結果が出ています。
日本泌尿器科学会によると、くしゃみや運動時など、お腹に力が入ったときに尿もれが起こる「腹圧性尿失禁」を週1回以上経験する女性は、500万人以上にのぼります。
そして、尿もれを経験していると気づいている人のうち、約6割が誰にも相談していません。
気になっているのに、言えない。どこに相談すればいいかわからない。大したことじゃないと思っておく。
そういう人が、あなたのまわりにも、たくさんいます。もしかしたら、あなた自身も。
5|妊活中の人にも、知っておいてほしいこと
骨盤底筋の話は、尿もれだけじゃありません。妊娠を考えている人にも、とても関係があります。
骨盤底筋が整っていると、骨盤まわりの血流がよくなります。子宮や卵巣への血液の循環が改善されることは、妊活中の体の下地をつくるうえで意味がある、と言われています。
妊娠中はさらに大変です。おなかが大きくなるにつれて、子宮の重みがずっと骨盤底筋にかかり続けます。もともと弱い状態だと、腰痛や骨盤の痛みにもつながりやすくなります。
そして出産のとき。赤ちゃんが産道を通る際、骨盤底筋は大きく伸びます。このとき、柔軟性のある筋肉であれば、その変化にうまく対応できます。産後の回復の早さにも、骨盤底筋の状態が影響すると言われています。
産後、骨盤底筋が弱まったままでいると、尿もれが続いたり、臓器が下がってきてしまう(骨盤臓器脱)リスクが高まります。私が経験したのも、まさにこのタイミングでした。
妊活、妊娠、出産、産後、更年期——ライフステージのどの場面にも、骨盤底筋はいます。だから「なってから対処する」より、「なる前から整えておく」ほうが、ずっといいと思っています。
6|では、どうする?
骨盤底筋を鍛える代表的な方法は、ケーゲル体操です。膣や肛門のあたりを「キュッ」と締めて、ゆっくり緩める。これを繰り返します。道具もいらないし、座ったままでできます。
ただ、続けている人が少ないのも事実です。
「ちゃんとできているかわからない」「効いている実感がない」「気づいたらやめていた」——意識しにくい筋肉だから、やっているつもりでできていないことも多いし、変化を感じにくいから、やめてしまいやすい。
そこで、EMS(電気的筋肉刺激)という選択肢があります。電気の刺激で筋肉を直接動かす技術で、意識しにくい筋肉にも外側からアプローチできます。
fermataでも取り扱っているMYTREX AQUA QUTTOは、その使い方がちょっとユニークです。防水仕様で、お風呂に置いて座るだけ。特別な時間を作らなくていい。毎日のお湯タイムが、そのまま骨盤底筋ケアになります。刺激の強さは10段階で調整できるので、EMSが初めての人でも怖くありません。
「やろう」と思い続けなくていい仕組みに、ケアを乗せる。それがこのデバイスの好きなところです。
7|まだ気にならない今が、ちょうどいい
この記事を読んで、「私はまだ大丈夫」と思った方もいると思います。
それはきっと本当のことです。でも、骨盤底筋は、気になり始めてからでは、少し遅い筋肉でもあります。
私がそうだったように、「知っているつもり」でも、自分の体の話として受け取るのは難しい。でも今、この文章を読んでいるということは、少し気になっていたり、誰かのために知っておきたいと思っていたりするのかもしれません。
見えないけれど、あなたの体の中心で、黙って働いている筋肉があります。
その筋肉に、今日から少し、意識を向けてみてください。
お風呂のついでから、始めてみることができます。
— Dr. Amina Sugimoto 公衆衛生博士(London School of Hygiene & Tropical Medicine)/fermata Inc. 創業者
MYTREX AQUA QUTTO は、fermata ECでお取り扱いしています。
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