Vol.5(前編)kegg|おりもので排卵日を知る?keggが変えた妊活の考え方
キーワード:妊活/排卵日予測/おりもの/頸管粘液/不妊治療
突然ですが。
あなたは「おりもの」について、どれくらい意識したことがありますか?
なんとなく下着に付くもの。
量や色が変わることもある。
でも、特別に意味を考えることはあまりない。
私もそうでした。
女性の体について学び、公衆衛生や妊活の話に関わってきた私でさえ、
膣分泌物を「大事な情報」として扱ったことはなかったのです。
でもある日、
「おりものの変化から妊娠しやすい時期を測る」というプロダクトに出会いました。
最初は、正直、何がそんなに新しいのか分かりませんでした。
おりもの(頸管粘液を含む)の質は、排卵に向かって変化することが医学的に知られています。
でも、それを日常の中で活用している人は、どれくらいいるでしょうか。
妊活の構造を少しだけ考えてみる
日本では、不妊を心配したことがある夫婦は約35%。
検査や治療を経験した夫婦は約18%。
今では約10人に1人が不妊治療によって生まれている時代です。
妊活は、もう特別な話ではありません。
でも流れはこうなりがちです。
うまくいかなければ、医療へ。
基礎体温を測る。
排卵検査薬を使う。
通院する。
方法はあります。
でも、続けるのが大変です。
毎朝同じ時間に体温を測る。
仕事を調整して病院へ行く。
自分で理解し、様子を見る余白が、あまりない。
私はそこに、ずっと違和感を持っていました。
keggという選択肢
keggは、頸管粘液の変化を測定する家庭用デバイスです。

腟内に挿入し、約2分測定。
アプリで日々の変化を確認できます。
妊娠を保証するものではありません。
治療や診断を目的とするものでもありません。
でも、
感覚に頼ってきた身体のサインを、続けられる形で“見える化”する道具です。
実は、排卵日そのものよりも、その前後2〜3日のほうが妊娠しやすい傾向があるといわれています。
ただし、その“窓”は人それぞれ異なります。
だからこそ、継続的に自分の周期を理解することが大切になる。
2017年、日本の投資会社で働いていた頃
2017年ごろ、私は日本の投資会社で働いていました。
そのとき出会ったのが、このkeggです。
創業者のKristinaは、妊娠を考えてクリニックに行った際、
「指でおりものの状態を確認して記録してください」と言われたそうです。
テクノロジーが進化しているのに、
なぜ女性の妊活はここだけアナログなのか。
その疑問から、keggは生まれました。

(keggをつくった、Lady Technology社 CEOの Kristina Cahojova氏)
限られた資金で、世界で初めて“頸管粘液をデータとして扱うデバイス”を形にした。
私は、そこに可能性を感じました。
“測る”ということ
妊活が大変なのは、情報がないからではありません。
情報は溢れています。
でも、続けるのが難しい。
keggは、毎日2分。
起床時である必要もありません。
小さな違いに見えるかもしれませんが、
当事者にとっては大きな違いです。
測ることは、自分を追い込むことではない。
自分の体を、少し理解すること。
それが、次の判断を少し軽くするかもしれない。
前編の問い
私たちはなぜ、不妊治療には大きく投資し、
その前段階の「理解」にはあまり投資してこなかったのでしょうか。
その順番は、本当に合理的だったのでしょうか。
後編では、この製品を日本で社会実装するまでの話を書きます。
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